.O.ラ・マンチャのワイン、プロモーション好評で初の訪日を終える
今回初となったアジア大陸へのEU圏外出展ツアーは、この東京出張で原産地呼称統制委員会に同行したワイナリー10数社の営業部長から確かな感触を得て、無事終了しました。
3月6日から9日にかけて、統制委員会と共にワイナリー9社がFOODEX JAPANに参加し、日本の食品業界で最も重要な展示会でワインのプロモーション活動を行いました。
ラ・マンチャやワイン18銘柄について理解を深めようと、自由試飲コーナーにお立ち寄り頂いたビジターからは、好意的な認識がうかがえました。他にも、業界関係者向けのセミナーが実施され、参加したワイナリー9社の注目を集めました。「スペイン、中でもラ・マンチャ一帯のワインは大幅に売上を伸ばしており、毎年、さらに増加しています」。ニューワールドトレーディング社のササキ・ヒロミさんは、FOODEXでドン・キホーテのワインが試飲された2回目の機会に関して、こう指摘しています。
実際、日本での文化や郷士ドン・キホーテに対する文学的関心により、ラ・マンチャワインへの関心が高まっています。そして、その最も名高いアンバサダーを務めているのが、まさに、ボトルの裏ラベルにある郷士のシルエットなのです。それにEU圏のワインに対するビジネス成長の影響も加わります。「もし、2017年末に妥結した日本とEU間の経済連携協定が最終的に上手くいけば、の話ですが。これにより、来年には関税が撤廃されることとなるでしょう」(フアン・マヌエル・レアル統制委員会派遣団責任者)
日本では、すでに購入量が150万本(1,420,332本、前年比30.25%増)近くに上っており、D.O.ラ・マンチャのワインにとって、日本はアジアでナンバー2の取引先で、これを上回るのは貪欲な中国市場のみとなっています。
FOODEXで原産地呼称統制委員会に同行したワイナリー9社は、以下の通りです。
Bodegas Yuntero ボデガス ユンテロ
Bodega-Almazara Virgen de las Viñas ビルヘン デ ラス ビニャス
Bodegas Centro Españolas アジョソ セントロ エスパニョール
Bodegas San Antonio Abad ボデガス サン アントニオ アバッド
Bogarve 1915...
歴史
イベリア半島中央高地に位置するラ・マンチャは、アルバセテ県、シウダ・レアル県、クエンカ県、及びトレド県に属する182の市町村にまたがる地域で、気温変動が激しく降水量も季節変動が大きいという、ブドウを最適な環境で栽培するには好都合な大陸性気候です。ブドウ栽培はローマ帝国時代から始まっていたとする説もありますが、遅くとも中世には始まっていました。
そこで、この地におけるワイン造りの歴史を振り返ってみると、1932年9月の『ガセタ・デ・マドリッド・(Gaceta de Madrid)』(現在の官報/BOE)に原産地呼称としてラ・マンチャのワインに言及した最初の公的な記載があり、ラ・マンチャはスペインで最も古いD.O.の一つです。
その後、スペイン内戦や厳しい戦後期に突入し、ワイン産業は停止状態となりますが、60年代にラ・マンチャ、マンチュエラ、メントリダ、アルマンサ原産地呼称が制定されます。
・マンチャは、ヘクタール当たりの収穫量があまり高くなく品質を最優先できるという点で、ブドウ栽培には理想的な地域です。しかも日照時間が非常に長く、これを享受するブドウ畑では、果実の成熟サイクルもブドウ樹の健康状態も素晴らしいものとなります。
この地帯の土地は汎用性が高く、土着品種のアイレンやテンプラニーリョに加えて、世界中の外来品種を導入・栽培することができ、その品質の高さから販売量はここ数年とどまることなく伸びています。
From the heart of La Mancha to the world markets. Wines with Denomination of Origin La Mancha can seduce all over the palates in the world thanks to their tastings and universal colour.
La Mancha, everybody who visit its vineyards, who taste its wines, who meet its culture...cannot forget it for ever.
Have you ever tasted wines from La Mancha ? We are sure you will find them different. Diversity and variety are the main things that describe the grapes from La Mancha. The own and most important grape are airen...
高品質のブドウが収穫された収穫年。そのワインに寄せられる業界からの期待の声
ワイン製造業者やエキスパートが収穫時に予想していたとおり、数か月を経たブドウは質の高いワインとなってグラスに注がれました。ワイナリーで働く技術責任者や醸造担当者自身が2014年の収穫期に公言していたことが夢から現実になったことに加え、D.O.ラ・マンチャワイ原産地呼称統制委員会会長のグレゴリオ・マルティン・サルコ氏はマドリッドでのヤングワインのプレゼンテーションで述べたとおり2014年は「品質の高さで後世の記憶に残る収穫年」になるでしょう。
こうした2014年の収穫におけるブドウは質が高く、ラ・マンチャ原産地呼称統制委員会のインタープロフェッショナル連合が調査した技術責任者や醸造担当者の間では、ワイナリーに搬入されたブドウの質が並外れてよいということで意見が一致しました。ブドウの樹がいっさい病気にかからず、収穫前の時期には昼夜の気温差がたいへん大きかったことから果実は完全に熟すことができました。こうした気候条件は、高度600メートルというイベリア半島内陸の中央平原に位置するラ・マンチャ地方のブドウ畑特有のもので、冬に厳しい寒さが、夏には酷暑が訪れることからここには果樹の病気を避けながらブドウが完全に熟すのに適した環境がととのっているのです
また、今年の夏は水不足だったものの、灌漑地のほか非灌漑農地においてもブドウの樹には果実が成長するために必要な水分をためておく保水機能が十分に備わっていました。そのため、白ワイン用のアイレン種は11.5ボーメ、赤ワイン用のテンプラニーリョ種等では13ボーメを上回るなど理想的な数値に達しました。
白ワイン用のアイレン種や赤ワイン用のテンプラニーリョ種(スペインを代表する品種)等の従来品種はクパージュを施すことによりさらに豊かになりました。数十年前から白ワイン用のソーヴィニョン・ブラン、マカベオ、シャルドネ、ベルデホ、さらには赤ワイン用のシラー、カベルネ・ソーヴィニョン、メルローといった新しい品種の栽培が行われていますが、いずれもラ・マンチャの土壌にみごとに適応しています。その結果、フレッシュさとともにフルーティな若々しさをもつワインを求める現在の市場に応える、力強いアロマのヌーヴォー・ワインがつくりだされた。
世界最大のブドウ栽培面積と260社を数えるワイナリーの存在で知られ、文学作品「ドン・キホーテ」にも描かれている伝統的なブドウ栽培文化が数百年にわたり受け継がれているD.O.ラ・マンチャでは、国内市場および海外市場が求める質の高さに応えながら生産ペースを引き上げることにも成功しました。そして伝統的な方法により、クリアンサやデザートワインはもちろん、スパークリングワイン等が生産されています。