日本では、大阪と東京の二都市でロードショー開催。
アジアの輸入業者が参加する地元ラ・マンチャでの投資ミッション、中国・成都の展示会への最近の出展を経て、アジアでのプロモーション集中月間を日本で締めくくる。
この販売イベントは、数年にわたるパンデミック後、初めて日本で行った活動となりました。2019年以降、原産地呼称統制委員会は、プロモーション活動実施のために日出る国・日本を訪れていませんでした。今回、久しぶりに行われた訪問ツアーは、大阪と東京の二都市で好評を博しました。
まだ不確実性がありますが、実施されたテイスティングセミナーの講師・菊池貴行さんが指摘するように、日本は、ラ・マンチャのワインにとって非常に興味深い潜在力のある市場として浮上しています。また業界の専門ジャーナリスト、明比淑子さんは、ワインの消費は特に若者の間で関心が高まっているとの考えで、さらにテイスティング後、次のように指摘しています。「ラ・マンチャのワインは、そのバラエティの豊かさとボデガの味わいから日本にいい市場を持っています」
日本とラ・マンチャへの憧れ
昨年2022年、日本はDOラ・マンチャのワインにとって第5位の市場となりましたが、これは全輸出量の5.33%に相当。その需要により、EU圏外では中国に次ぐ第2の市場として日本を位置づけています。その理由は、統制委員会・国際部門の責任者ルイス・マルティネスによると、「幼少期からドン・キホーテについて学んだり、学校で教えたりしている」からで、これにより侍や日本文化の武士道の掟とラ・マンチャの親和性は非常に高く、ドン・キホーテの姿に大きな敬意や憧れを抱いているとのことです。
参加したワイナリー
両都市では、入門セミナーが開催された後、サロン(ショールーム)でテイスティングも行われ、原産地呼称ラ・マンチャの次のワイナリー6社が参加しました。
ボデガス セントロ エスパニョーラス Bodegas Centro Españolas
ボデガス イシドロ ミラグロ Bodegas Isidro Milagro
ボデガス ロメロ デ アビラ Bodegas Romero de Ávila
ボデガス アユソ Bodegas Ayuso
ビノス...
魅力的なデザインでモダンになった、ラ・マンチャ・ワインの新しいイメージ…よりダイレクトで機能的なロゴを採用。
ラ・マンチャを象徴するアンバサダーは続投、新しくなった原産地呼称ラ・マンチャ・ワインのロゴには、ドン・キホーテおなじみのシルエットが描かれラ・マンチャらしさを保っています。今回は、ロシナンテの背に乗ってワイングラスから登場しています。
よりビジュアルで総合的なデザインのロゴ
郷士のシルエットを使用することでメッセージが融合、原産地呼称ラ・マンチャのワインだとひと目でわかる新しいロゴとなりました。
赤・白・黒だけのシンプルな色使い、また書体もシンプルなものを採用し、読みやすく識別しやすい文字を使用しています。
グラスにワインを注ぐ時にみられる液体の動きが描かれ、ドン・キホーテの長い槍とその馬ロシナンテがグラスから飛び出ている……このように、全体として、ラ・マンチャのアイデンティティをまとめた象徴的なシルエットで構成されています。
順次旧ロゴ(2004年)から変更し、原産地呼称ラ・マンチャ・ワインに貼付される品質保証ラベルや表ラベルに新ロゴを採用するまでの移行期間、新・旧ロゴが混在しますが、最終的にすべて新ロゴに切り替わります。
この新ロゴマークの導入で、原産地呼称統制委員会は4回のイメージチェンジをしたことになります。イメージや美学が重視される新しい流れの市場へ迅速に対応することは、今日において重要なことと考えています。
今後数年間、ラ・マンチャの高級ワインの生産は、国際市場での消費が増加傾向にある、オーガニックワインへと舵を切ることになります。
持続可能な環境保全への関心が高まっており、オーガニックワインまたは有機ワインは、最終消費者からの需要が増えています。しかし、確かに、オーガニックワインの真実は、ラ・マンチャを取り巻く背景と自然に根ざした伝統を持つブドウ栽培の実践にあります。
事実、カスティーリャ・ラ・マンチャは、「今後有望」な世界有数のオーガニックワイン生産地として、スペインのブドウ有機栽培を牽引しています。これらは、人間の活動による影響を最小限に抑えた有機農業への挑戦に取り組んできた業界の最近のフォーラムでの結論であります。
この21世紀に存在するひとつの提案で、ワイン製造部門にとって成長の鍵を握る重要なポイントを強調。また、この部門では、その性質と状況により、この原産地呼称自体が、ヨーロッパの地でトップクラスの有機栽培産地として世界の手本となる可能性があります。
カスティーリャ・ラ・マンチャ州だけでも、有機農業の作付面積450,000ヘクタール弱、うち63,000ヘクタールはブドウ畑で、有機栽培区画をもつ農家は7,000軒――この数字が、それを自ずと物語っています。
そして今、成長とポジショニングの機会を前にし、オーガニックワインといつ、どのように向き合うのか知ることが不可欠です。
有機ワインとは?
本来、ブドウ栽培は、ほとんど影響を受けずにモストがアルコールに変換される自然のプロセスを経ています。しかし、有機農業により醸造されたワインでは、環境に優しいことを証明し、生産の全過程でそれが保証されなければなりません。
これは、有機農業規則の遵守に関する運営組織である欧州委員会が示すように、「一つの生産方法で、その目的は天然物質や自然の過程を使用して食物を手に入れること」です。
そのため、本質的には「有機農業は、環境負荷が制限される傾向があり、以下を推進しています。
• エネルギーと天然資源の責任ある使用
• 生物多様性の保全
• 地域の生態系の均衡維持
• 土壌肥沃度の改善
• 水質の維持」
オーガニックワインかどうか知る方法は?
欧州連合の枠組みでわかります。EUでは、品質のトレーサビリティが原産地呼称ワインに求められており、環境持続可能性への取り組みを証明する特別なラベルによって、保証されなければなりません。
ヨーロッパで有機農産物を識別するマークがこちら。必ず原産国の認証機関のマークが併記されています。
ラ・マンチャの可能性が注目される理由は?
歴史と伝統
数世紀にわたり、ブドウは、ラ・マンチャの社会自体に根付く歴史と伝統と結びついた作物でした。ローマの遺産とその後の中世の発展により、初期の文明の歩みを裏付けているように、ブドウ栽培はラ・マンチャの過去の重要なアイデンティティを示すものとなりました。
『ドン・キホーテ』などの有名な作品で作家たちがすでに述べているように、スペイン黄金世紀と共に、ラ・マンチャのワインは大人気を博し、需要が高まりました。その伝統、そして19世紀のその後の産業発展は、一部には、ブドウの栽培に理想的な、ラ・マンチャの条件を反映したものでもありました。
自然条件
広義では、ラ・マンチャの平原は、大きな高低差がなく、平均海抜700メートル以上の高原状の広大な地域を含みます。海から離れたイベリア半島の中央に位置し、緩急豊かな山系に囲まれ(東にイベリア山系、北西にセントラル山系、南東地帯にベティコ山系)、特に大西洋からの湿った前線が入り込み、年間平均降雨量400mm以下という、非常に少ない降雨量となっています。しかも夏の4か月間(6月から9月)は極度の乾燥が特徴で、今年はさらに厳しくなる可能性があります。
したがって、時にはステップ気候の特徴に近くなる気温の特徴と降雨量を示す、内陸の地中海性気候と言えます。また、ラ・マンチャの冬は厳しく過酷で、最も寒い時期には最低気温が氷点下15度に達することもあり、最高気温が45度になる猛暑の夏との寒暖差が激しい気温。
この地方の気候が均一であることは、地質学から見て、土壌の均質性が高く、ラ・マンチャにとって有利になっています。石灰質の土壌が一面に広がり、程度は少ないものの、これに粘土質や砂質、石の多い土壌が混ざっています。
こうしてブドウの栽培にとって最適な自然条件が揃い、石灰質の土壌の存在により、見事な構造、ボディ、アルコール度数のワイン(特に赤ワイン)――芳醇な香りが楽しめる早飲みワインとして、またはその後木樽で熟成させて飲むのに最適――が得られます。
日照時間
年間日照時間が3,000時間を超えるラ・マンチャの春は短く、束の間。雨量が最も多い時期もありますが、ブドウの生物学的サイクルに理想的な背景となり、発芽と開花、その後の結実など、生物季節学上、重要な時期に菌類よる害虫がほとんど発生しません。しかも、有機ブドウ栽培自体の規則の基本である、人間の介入を最小限に抑えた条件であり、果実にとって健康的な状態です。一般的に、農薬の使用は非常に少ないかゼロで、これにより、雨が多く、病気を防ぐために農薬を使用する必要がある北部の地域に比べ、有機栽培のブドウ生産に有利な状況を作り出しています。
サステナビリティを掲げた現在そして今後の新興市場
有機栽培のブドウを使ったワイン(オーガニックワイン)は、ドイツや日本など農産物に表示される「エコ」ラベルを重視する海外市場の一部での強い後押しを受け、ここ数年、堅調な需要が続いています。なお、前述のドイツと日本の2か国は、まさにラ・マンチャのワイナリーの主要な取引先となっています(2021年の実績がそれぞれ4,698,795本、1,433,700本で1位と3位を占める)
持続可能なブドウ栽培と人口変化
有機栽培ブドウ畑の面積の増加は、何世紀にもわり世代を超え行われてきた、ラ・マンチャのブドウ栽培の特質を一言で表しています。ブドウの植え付けは、経済を活性化させる要素として機能し、こうして空洞化したスペインから都市部への流出による過疎化を防ぎ、ラ・マンチャの村の人口を支える決定的な要因となっています。
気候変動に対応する持続可能なブドウ栽培
ブドウ園をラ・マンチャに設立することは、自然環境・社会経済の視点から、持続可能な農業の貴重なモデルとなっています。また「栽培面積と収量に関する調査(ESYRCE)」によると、カスティーリャ・ラ・マンチャのブドウ園の栽培法の特徴に関する最近のデータから、灌漑栽培法(59.8%)、無灌漑栽培法(49.2 %)が共存している例であることがわかります。このように相互に補完し合い、1ヘクタールあたりの収量が比較的低くなっており、2021年のDOラ・マンチャのワインの1ヘクタールあたりの平均総収量は6,909 kg/haです。
土地の砂漠化を防ぐ、環境面の働きもまた重要で、そうでなければ、気候変動の影響により頻度を増す集中豪雨を除き、降雨による水食が発生する可能性があります。このような保護により、ラ・マンチャ地方に自生する動植物の生息を促すことにもなります。
他の作物による補完
ブドウ園とオリーブの木は、今ではピスタチオやアーモンドなど他の木と一緒に植えられ、計り知れない環境への価値がある緑地を驚くほど乾燥した地域に提供していますが、それだけではなく、緑地は耕作され、手入れされ、「空になる」ことを拒むスペインのこの地域の数百もの村に富をもたらし、何より、火災の危険性を大幅に低減しています。
つまり、環境への配慮と住民の収益との間のバランスが取れているため、ブドウ栽培は、このような他の補完的な作物と共に、ラ・マンチャで念願のサステナビリティを実現しています。
ワイナリーのマークと取り組み
さらに、ラ・マンチャのワイナリーの品質に対する取り組みには、生産的資源のエネルギー効率、循環型経済への歩みと言える環境に配慮した大規模な緑の取り組みも含まれます。また、ラ・マンチャのワイナリー数社は、すでに生産されたモノの寿命を再最適化する一歩を踏み出しています。太陽光パネルの大量設置、ナイトハーベストの導入、排水の再利用および浄化装置の使用、またはブドウの副産物の開発は、ほんの一例です。
一方、まさにそんな有機栽培ブームに踊らされ、一部のワイン生産者は品質が認められることを優先せず、収穫量アップを目標に掲げていることも確かです。ちなみに、その認定には、PGIもしくは原産地呼称マークが付いた産品の生産制限を行うことが含まれ、ラ・マンチャの場合、株仕立てのブドウ園で最大10,000kgから、垣根仕立てのブドウ園13,000kgで変動しています。
原産地呼称ラ・マンチャにとって2022年は満足がいく結果に。6800万本以上を出荷、2021年の売上高を明確に上回り、パンデミック以降続いていたマイナス傾向からプラスへと転じる。
具体的に、昨年出荷されたミニラベル(750mLに貼付される品質ラベル)の数は68,058,688本に上り、これは50,779,200リットルに相当し、出荷数が62,670,286本に達した2021年度に比べ8.6%増となります。
年明けはパンデミック後の回復への明るい兆しが見えてきたと思えたものの、2月のウクライナ戦争勃発とその後の物価高騰、さらに中国の孤立化が重なったことが、それを鈍化させる要因となり、市場に打撃を与えた2022年の状況を考えると、前向きなデータといえます。
これらを踏まえ、このマイナスをプラスに転じることができたことは、国内市場、とりわけスーパーマーケットで存在感を増すようになった原産地呼称ラ・マンチャのワイナリーにとって、非常に期待がもてるものです。
国外市場の戦略見直し
10年以上前から、売上増は、海外、特に絶えず販売促進活動を行ってきた東南アジアの新興国で築いた、この原産地呼称の強力なポジショニングに基づいていますが、この2年はアメリカ大陸でも順調な伸びを示しています。
2022年の間徹底した新型コロナウイルス対策が続き、中国市場は商取引が事実上停止状態となり、さらに東欧市場はロシアにおける戦争による緊張状態で大きな打撃を受けた後、アメリカ、そしてアジアの場合は日本が最大の主役となっていることが、大きなカギとなりました。
実際、日本はラ・マンチャのワイナリーの海外主要取引先3か国に含まれ、2021年にはDOラ・マンチャワインが150万本近く出荷されています。
El Estadio rojiblanco acogerá los días 21 y 22 de noviembre la cita promocional más importante del año para el Consejo Regulador.
Se trata de...
日本人ジャーナリストはラ・マンチャのワイナリー数社を訪れる招待ツアーを好印象で終える
10月第2週、東京から直接来訪した記者の方々は、原産地呼称ラ・マンチャのワインに関する知識を深めるため、ラ・マンチャ地方を巡りました。
この訪問は、「欧州サステナブル・ワインズ」プログラムの一環として位置付けられています。同プログラムは、欧州の他の地域と共同で行っている欧州プロジェクトで、環境保護や農村部の経済的・社会的支持など、ブドウ栽培に特有の概念と結びつく、ラ・マンチャ地方の知名度を高めることを目的としています。
充実したラ・マンチャ・ツアー
原産地呼称統制委員会・海外プロモーション部が組んだ日程は、日本国内で大きな関心を集めるワイナリー数社の現地見学に加え、ラ・マンチャ地方のトレド、クエンカ、シウダ・レアル、アルバセテの4県でエノツーリズムが盛んな場所巡りも盛り込んだ内容となっていました。
こうして、一行はカンポ・デ・プリプターナの風車の丘(日本社会にとって大きな象徴的な価値や文化的価値をもつ)で景色を楽しんだ他、周遊の初日、ラ・マンチャ地方たたずむクエンカの町ベルモンテとこの地方の中心地、トレドを訪れました。
在来種の価値
いくつかのワイナリーの見学では、白ブドウのアイレンや黒ブドウのテンプラニーリョ、別名センシベルをはじめとする、昔ながらの品種の価値が特に際立つ、原産地呼称ラ・マンチャの多彩なワインの試飲を楽しんでいただきました。依田恭子さんは、ブドウのアイレン種を挙げ、「早飲みワインや熟成ワインまでも醸造できる」、ラ・マンチャの白ワインのポテンシャルを力説。またこの日本人ジャーナリストは「ラ・マンチャのアイレンブドウの畑に並ぶ風車の風景は忘れられません」とコメント。
日本のワイン界で専門家として執筆活動を行う、浮田泰幸さんの言葉を借りると、テンプラニーリョ種は「フルーティな早飲みワインから樽熟成のワインまで」汎用性が高いため、非常に興味を抱いた――とのことです。
日本、EU圏外で第二位の取引先
2021年には日本への販売が6%以上減少した、アフターコロナの現状にもかかわらず、日本は、ラ・マンチャのワイナリーにとって、中期の主なビジネス指標の一つと見なされています。
実際、昨年、原産地呼称ラ・マンチャのワインを143万3,707本購入した日本は、EU圏外で第二位のワイン輸入国で、これを上回ったのは世界でドイツと中国のみでした。
最高の原材料が、多様性と前衛性を取り入れ、しかも名品を生み出したその伝統を守っていれば、間違いない品質に裏打ちされた偉大なワインが生まれます。それが、原産地呼称ラ・マンチャのワイン。イペリア半島の真ん中から、世界各地90か国への進出を果たしています。
ラ・マンチャのワインを口にするたびに、作物に対するブドウ栽培家の愛情、最高のアロマと味わいを引き出すためのエノロジストやワイン生産者の尽力だけでなく、隅々まで行き渡るワイン文化が熱く刻まれた土地の歴史が感じられます。
ラ・マンチャのワイン、五大陸に進出した普遍的なワイン
この何十年かで、ラ・マンチャのワインは、輸出市場で倍々の成長を遂げました。間違いなく、ブドウの木からワイングラスに至るまでの、品質とトレーサビリティへの信頼――それにより、素晴らしいワインに仕上げるためのブレンド法を手に入れています。
事実、昨年2021年は、世界市場は大きな苦境に立たされましたが、約6300万本のラ・マンチャのワインが五大陸の国々で消費されています。しかも、世界的に状況が改善していることから、今年2022年1月期にはD.O.ラ・マンチャのワインの販売は128%増となりました。
日本、D.O。ラマンチャワイン消費国ランキングトップ10
この原産地呼称のワインの主な市場は、ヨーロッパ諸国(ドイツ、オランダ、ポーランド…)とアジアの国々(中国、日本、韓国)ですが、ここ数年、アメリカ諸国でも好評を博しています。
実際、カナダやアメリカなど北米の国で、非常にいい成果を上げています。もちろん、ラテンアメリカ諸国は、多くの舌を虜にしている、ラ・マンチャの味わいを楽しむ機会を逃すことはありません。
ラ・マンチャのワイン、世界有数のワイン見本市に欠かさず出展
毎年、D.O.ラ・マンチャの品質が保証されたワインは、スペイン国内外で最も権威あるコンクールで数多くの賞を獲得しています。そして広い実績――これを充足させるのが、農業・食品見本市や業界とより強く関連する専門見本市への出展です。
そのため、今年2022年、規制の緩和により、ワイン・パリ&ヴィネクスポ・パリをはじめとする国際見本市への出展が可能となった他、ドイツのプロヴァインなど、すでに恒例となっている展示会にも参加いたします。もちろん、ラ・マンチャのワインは、常に大歓迎を受けてきたカナダのように、今後成長が見込まれる市場での販売促進を再開する予定。
ラ・マンチャは世界最大のブドウ産地というのは秘密ではありません。事実、原産地呼称ラ・マンチャの認定を受けた畑の面積は154,000ヘクタール以上で、ますます顕著になる多様性や文句なしの品質が証明されています。これは重要な役割で、大きな利点がいろいろありますが、経済面以上に、持続可能性を中心に捉えた取り組みを行い、この地域の人口の活性化を助けています。
灌漑と乾燥地の共存…持続可能性のスローガン
「Encuesta sobre Superficies y Rendimientos Cultivo」(作付面積と収穫量に関する調査‐ESYRCE)の最近の研究は、ブドウ園の栽培の特徴に関する新たなデータを紹介。これにより、カスティリャ・ラ・マンチャ地方(スペイン中央部)は、灌漑によるブドウ園(全体の59.8%に達する)と乾燥地のブドウ園(残り49.2%を占める)との共存の好例となっています。
これは、最新化と効率化がますます進む灌漑システム――より少ない水量を有効に活用する――灌漑農業の拡大を明らかに示すデータです。同様に、乾燥農業は、ラ・マンチャのブドウ園の基本であり続け、地球の未来のためにさらに急を要する持続可能性への取り組みを強化しています。
また、乾燥地のブドウ園のかなり大きな面積と灌漑システムの有効性には、気候変動の被害を軽減する意外な利点があり、砂漠化の進行を防ぎます。降雨量が少なく、水資源の節約に関して集団的な意識が高い地域であるのが特徴のラ・マンチャのような地域では、なおさらです。
ラ・マンチャでブドウ園が担う持続可能性の役割は?
ラ・マンチャのような地域では、ブドウ園は、地方経済や人口を活性化させる役割だけでなく、環境保全の要因となっています。事実、土壌の砂漠化を避けるために不可欠な使命を担っています。他にも、鉄砲水の発生を防いで、集中豪雨などの現象による壊滅的な影響を軽減します。
二酸化炭素と酸素の交換を行う、自然の肺のような機能の他、ブドウの葉が落ちて自然に、また剪定によって人為的に、土壌の有機物を増やすのに寄与していることが指摘されています。最終的には、在来動植物のバランス維持や保全に一役買っています。
ラ・マンチャのワイナリーの「グリーン・コミットメント」
私たちの環境を守る取り組みは、ブドウ園だけではありません。ここ数年、ラ・マンチャのワイナリーは、効率と持続可能性に関して飛躍的な進歩を遂げました。環境に優しい技術の導入に積極的に取り組み、その正式な証明書にそれが認証されている、ラ・マンチャのワイナリーはすでに数十社に上ります。
これらは、生産されるあらゆるものの耐用期間を最大限利用するためのシステムとして、循環経済サーキュラー・エコノミーの導入と形成を支持しているワイナリーです。また、ビオワイン、エコワイン、ビーガンワインを醸造するラ・マンチャのワイナリーが多数あるのも見逃せません。もちろん、高効率の設備を備えるワイナリーは年々増えています。これにより、コストパフォーマンスが向上するだけでなく、自然環境への影響を最小限に抑えたり、ゼロにしたりし、しかも周囲に溶け込んでいる設備もあります。
ワインだけではない、ブドウの用途
ワインはブドウの最高の成果であることは、間違いありません。でも、残りかすも有効活用することで、廃棄物の発生を最小限に抑えることも可能となります。例えば、ワイン由来のアルコール。これもまた、経済的な関心を集めています。他にも、果実によって、高級ワイン(D.O.ラ・マンチャのワインなど)、普通のワイン、モスト、ぶどうジュース、蒸留酒などに用いられます。それでも、ワイナリーでは、廃棄物ゼロを達成するのは不可能です。そのため、最適な方法で処理できるよう、浄化設備が整っています。醸造所によっては、自然そのものから栄養を摂取し、稼働しています。
つまり、ラ・マンチャの畑やワイナリーは、ここ数年で品種と品質に関して大きな飛躍を遂げたことは間違いありません。最大限の保証を提供する名産品で、その品質は世界各地で非常に高く評価され、このワインを消費する国は100か国近くに達しています。これはすべて、ラ・マンチャ地方のブドウ(と生命)の未来を保証する唯一の方法として、環境を尊重し保全する取り組みによるものです。
原産地呼称統制委員会は、その自然環境を背景にラ・マンチャ地方とそのワインの見える化を図る「欧州サステナブル・ワインズ」プロジェクトに参加。
ラ・マンチャのワインが大きな関心を抱いている、今後成長が見込まれる市場――例えば、日本がそうですが――は、「欧州サステナブル・ワインズ」で行われた活動により、原産地呼称ラ・マンチャの理解を深める機会に恵まれました。EUにおける品質の役割の概念および全原産地呼称全体に関するEUの規制の下で行われている、農産物の保護やトレーサビリティついて解説を受けた後、参加者はラ・マンチャ産ワインをいくつか試飲することができました。
イベントはこの3月の間に開催され、一流ソムリエの永瀬喜洋氏と菊池貴行氏を講師に迎えて、東京で行われたマスタークラスには、約60名の方にご出席いただきました。
“ヨーロッパを味わい、感じ、楽しむ”
このアクションは「欧州サステナブル・ワインズ」キャンペーン・プログラムの一環。DOラ・マンチャのワインは、アブルッツォ州ワイン保護協会やバルベラ・ダスティおよびモンフェラット州ワイン協会といった、ヨーロッパのその他のワイン産地と協働してこのプログラムに参加しています。
このキャンペーンは、EU域内市場および第三国における農産物に関連する情報および促進活動を規定する、2014年10月22日付け欧州議会および欧州理事会の規則(EU)No. 1144/2014の保護を受け、EUの枠組みから出資されています。
また目的は、高品質のワインの販売促進を超え、農村地域の環境保全と経済・社会支援など、より本質的なコンセプトと結びついたブドウ栽培の持続可能性を強調していくことです。
アジアにおけるDOラ・マンチャのワイン
中国と日本は、昨年2021年にDOラ・マンチャのワインの販売本数が減少したものの(それぞれ27.4%、6.5%減少)、アジア地域は依然として、ラ・マンチャのワインメーカーにとってビジネス上の関心が高い地域のひとつとなっています。こうした理由から、「欧州サステナブル・ワインズ」キャンペーンは、新型コロナウイルスの状況に応じて、台北、ソウル、シンガポール、香港などのアジア各地で行われ、その後中国(深圳や杭州、アモイ)でも開催される予定です。
クリスマス商戦に向け、早生品種を使用した多くのワインの仕込みはすでに完了
先週10月13日から15日にかけ、ラ・マンチャ地方では2021年のブドウの収穫が完全に終了。天候に悩まされた一年で、昨シーズンに比べ、大幅に短い収穫期となりました。
最終的に、専門家の予測は的中し、1月に欧州を襲った寒波「フィロメナ」の影響によりブドウの生産性は限定され、これに春の低温、8月末の猛暑による悪影響、9月の激しい暴風雨や局地的な雹が加わったため、収穫量は減少したものの、品質の低下は見られませんでした。むしろその逆です。
昨シーズンとは事情が異なるとはいえ、慎重を期し、かつ今年2021年に施行された衛生上の安全対策を講じた上、かなり通常に近い状況で収穫が実施されました。また、地域や品種により大きな変動が見られるものの、収穫量の減少は25%程度となっています。
県別に見てみると、原産地呼称統制委員会によれば、原産地呼称ラ・マンチャの認定を受けたワイナリーを対象とした無作為抽出による調査では(ワイナリー10社へのアンケート。内訳:シウダ・レアル県4社、アルバセテ県2社、トレド県2社、クエンカ県2社)、収穫が進むにつれ異なる展開を示しました。
しかし、圧搾所での最初の評価はいずれも、事実上一致しており、果実の質は良好、特に、赤ブドウと白ブドウの早生品種に対し高い評価を示しています。
白ブドウ品種アイレン(D.O.ラ・マンチャの主要な白ブドウ)の場合、専門的なパラメーターは、概して、平均ボーメ度11.5度弱、平均酸度3.4pHとなっています。
赤ブドウ品種テンプラニーリョ、別名センシベル――D.O.ラ・マンチャに認定される赤ワインに占める割合が最も多い品種(2020年は44%)――に関しては、2021年の収穫は、果実が非常に良好な衛生状態で、パラメーターは平均ボーメ度13度以上、酸度3.7pHで、上質な仕上がりが期待できる明るい見通しを示しています。
短期決戦、しかし長期にわたる収穫
2021年の収穫は、9月中旬に雨が多く観測され、作物に損害を与える恐れがあったため、総じて例年に比べると1品種あたりの収穫期間は短くなりました。
それにもかかわらず、収穫は数か月間にわたっています。というのも、ラ・マンチャ地方で収穫される最初の品種は、白ブドウのシャルドネ、マスカットやベルデホなど、8月前半頃に収穫を迎える、成熟が早い品種だったためです。これに続き、収穫シーズン中に、テンプラニーリョなど、他の赤ブドウが収穫されました。最も伝統的なのはアイレンの収穫。9月後半に行われるのがすでに恒例となっており、10月上旬の聖母ピラールのお祭りの頃、原産地呼称ラ・マンチャのワイナリーでは、2021年の収穫シーズンの幕を下ろしました。
もう一つ、注目される特徴として挙げられるのが、ラ・マンチャ地方で導入された機械による収穫の顕著な増加。事実、成熟が早く、芳香性の高い品種では、すでに数年前から、夜間を中心に、最適な熟成のタイミングを見計らい、特に注意を払いながら収穫が行われてきました。ラ・マンチャ原産地呼称統制委員会副会長フェルナンド・ビリェナは、次のように語っています。「これにより、果実は温度が最高の状態となりその香りが保証され、その後、よりしっかりと管理された温度で発酵作業が行われます」。アイレンは、その大きさや特徴から(ほぼ品質は低下せず、より長期間にわたり収穫が可能で、最終納品先に応じて収穫日を調整)、基本的には、この数年行っているように9月中旬から10月前半まで摘み取り作業が行われましたが、前述の機械化により、摘み取り作業の期間を短縮させ、収穫に適した日をより正確に判断できるようになっています。
また一方、夜間の収穫を機械化すると、より低い温度でブドウが搬入され、エネルギーの大幅な節約にもつながり、ブドウが持つ香りのポテンシャルをすべて保つこともできます。
とはいえ、最も絵になる伝統的な収穫は、アイレンを手で摘む収穫者グループによる収穫で、時代とともに廃れ始めているものの、相変わらずかなり行われています。多くの場合は週末を利用し、家族そろって収穫を行うという、ちょっとノスタルジックな光景が今も繰り広げられています。
サン・アンドレスの日に…新しいブドウ果汁から生まれたワイン登場
この先にはエノロジストの作業が待ち受けており、今度はワイナリーの出番です。ここ数週間で、今年収穫の新酒の醸造を終了させます。また、伝統に従い、D.O.ラ・マンチャのヤングワインは、クリスマス商戦に突入する、11月の最終月曜日、聖人サン・アンドレスの日に発売となります。業界にとってビジネスの明暗を分ける期間で、業界は、今年の第4四半期、アフターコロナのワイン消費の需要回復に期待を寄せています。
映画監督ウーゴ・デ・ラ・リバが、ブドウ畑や風車、ムーサのドゥルシネアと直接関わりのあるものに囲まれ撮影された、新スポット動画を監督
若い女性が、ラ・マンチャの夏の炎天下の中、ブドウ畑を散策しています。自転車をこぎながら、明るく快活にあちこち訪れ、最後はムーサのドゥルシネアはどこかと尋ねることに。エル・トボソから風車へとたどり着いた、ラ・マンチャ・ワインの新スポット動画の主人公は、イケメンで現代版ドン・キホーテ風の粉挽きの青年が投げかける甘いセリフにその答えを見つけ、顔を赤らめながら放浪の旅を終えます。そして、二人は、巨大な風車に囲まれ、美しい夕焼けの中、D.O.ラ・マンチャのワインで乾杯。
これが原産地呼称統制委員会の新たなプロモーションビデオのあらすじで、ラ・マンチャのワインを、セルバンテスの不朽の小説と普遍的な結びつきを持つ名高いアンバサダー、ドゥルシネアや風車と関連付けて、今回の取り組みに挑んでいます。
エル・トボソとカンポ・デ・クリプターナで8月初めに撮影されたこのスポット動画。ブドウの収穫シーズンの真っ最中に初公開され、ラ・マンチャと最も象徴的な観光スポットのまさに造形的・視覚的な美しさを強調しています。
ウーゴ・デ・ラ・リバとドン・キホーテとの素敵な関係
アルカサル出身のこの監督が手がけた最近の作品の成功を受け、原産地呼称統制委員会は、すでに短編作品「サンチョ」の協力で示したように、最新のスポット動画で今回再びウーゴ・デ・ラ・リバを信頼し、ドゥルシネアという女性像のコンセプトを、今の時代に合った現代風に新たに解釈し直すというアイデアを実現させています。
「サンチョの前回のロケをよく覚えています。風車が並ぶこの山で行ったハードな撮影の日々をね。風車やワインを伴うものすべてを改善しています」と、このスポット動画の制作者は断言。「ラ・マンチャに暮らし、オーディオビジュアルの世界に携わり、サンチョやドン・キホーテ、そして今回のドゥルシネアのように、重要な人物を取り上げることができ、幸せだと感じます」と認めています。
撮影隊は、他にジャーナリズムを学ぶ学生で女優のマリア・ロハスも迎えています。
また、マリアと共に、出演者に名を連ねたのがアレクサンデル・カルボ。モデルのかたわら客室乗務員も務め、若くしてカメラの前に立つ経験も豊富。「これまで行ったことがない場所で、風車を見学して、実際にどのように動くのか見ることができ、満足しています」と告白。しかも、ミスター・マラガにも選ばれたアレクサンデルは、感謝の気持ちを次のように述べています。「このようなドゥルシネアと一緒にドン・キホーテを演じられ、しかも最後は赤ワインのグラスを手に撮影することになるとはね。レベルが違う」と冗談も。
Ihr Drehpartner war Alexander Calvo, Model und Flugbegleiter – und trotz seiner jungen Jahre mit viel Erfahrung vor der Kamera. Calvo fand es „ausgesprochen...
原産地呼称統制委員会は、大阪と東京の2会場で、業界関係者を対象に人数を制限しセミナーを開催
反響は上々。先日4月20日・22日に大阪と東京――日本の最も代表的で経済発展した大都市圏の2都市――で人数を制限し(25名以下)開催された2回のセミナーに対し、日本の参加者はこのような反応を示しています。
昨年2020年、FOODEX(日本におけるこの業界最大の展示会)の中止、新型コロナウイルス禍により経済停止を強いられた後、人数制限を行い、アジアの業界関係者を対象に企画した各テイスティングセミナーのために日本に渡航する決定を行っていました。
日本における推進のイニシアチブを担う企業、ニューワールドトレーディングのフランシスコ・ドミンゲスさんと佐々木裕美さんによれば、反響は非常に好意的とのこと。「ラ・マンチャのワインがもっと知られるようになるためには、この種の販売促進を続けていかなければなりません」(前出の佐々木さん)
成長の可能性を秘めた市場での販売促進
日本は、アジアにおけるワイン消費で中国に続き2番目に重要な市場であるという事情に加え、世界のワインメーカー、特にDOラ・マンチャのワイナリーが、ここ数年、注力している市場です。
日本社会はドン・キホーテの文化を称賛しており、ミニラベルに原産地呼称のロゴが表記され、最高の国際ワインアンバサダーをかの有名な騎士のシルエットで描いた、原産地呼称ラ・マンチャのワインに対する関心は高まるばかりです。
参加ワイナリー
ボデガス アルカルデット
ボデガス アユソ
ボデガス セントロ エスパニョーラス
ボデガス クリスト デ ラ ベガ
ボデガス ナランホ
ボデガス ロメロ デ アビラ
J. ガルシア カリオン
ビ二コラ デ...
大阪・東京の各都市にてテイスティングセミナーを人数制限で開催
新型コロナウイルスの状況は、原産地呼称統制委員会がアジア大陸でDOラ・マンチャワインの積極的な海外プロモーションを継続する上で妨げにはなっていません。
そこで、現状に適応し、現在ワインの需要が増加する最も高い可能性を秘めた市場として、中国と日本を選択しました。
実際、日本は、去る2020年、DOラ・マンチャワインの消費量がEU域外では第二位となっており、2020年の購入実績は150万ボトル以上に上ります。
テイスティングセミナーを少人数で
この業界の日本最大の展示会であるFOODEX 2020の開催中止後、現在日本への渡航が制限されていますが、原産地呼称統制委員会は、世界がある程度の日常を取り戻していることを期待し、2022年3月の同展に出展する意向で、日本での各セミナー開催を選択いたしました。
以上から、感染状況が安定したレベルを維持する場合に限り、日本の主要二都市でこのような行動が計画されています。
4月20日の大阪に引き続き、4月22日に日本の首都・東京でセミナーを開催する予定。
いずれの会も、業界関係者を対象に人数を制限して(25人以下)実施し、はじめに生産地域や特徴、歴史、地理的な位置など、DOラ・マンチャの説明をした後、セミナーに参加する各ワイナリーのワイン9種に限定したテイスティングを行います。
参加ワイナリー
ボデガス アルカルデット
ボデガス アユソ
ボデガス セントロ エスパニョーラス
ボデガス クリスト デ ラ ベガ
ボデガス ナランホ
ボデガス ロメロ デ アビラ
J. ガルシア...